断食の最初の1週間:何が起きるのか
かんたんな答え: 断食の最初の1週間は体が慣れていく期間で、1〜3日目には空腹、軽い頭痛、いらだちが出ることがあります。5〜7日目になると、エネルギーがはっきり戻り、空腹も減ってきます。体重は1〜3ポンド(約0.5〜1.4 kg)減る方が多く、その大半は水分です。体重計がまったく動かない場合も、逆に増えた場合も、それはふつうの1週目です。この記事では、その理由と、1週目を早々に終わらせてしまう失敗を説明します。
新しいことを始めるときは、これから何が来るのかを知っているほうが必ず楽になります。断食の最初の1週間で多くの方が不意を突かれるのは、それがひどいものだからではなく、そこに特有の上がり下がりを予想していないからです。この日ごとのガイドは、何も驚かずに済むように、これから起きることをそのまま伝えるためのものです。
始める前の準備
最初の断食の前の1週間には意味があります。いくつか準備しておくだけで、移行はかなり楽になります。
- 朝食を毎日30〜60分ずつ後ろにずらす。 ふだん7:00に食べているなら、準備の週の終わりに9:00を目指します。
- 夕食後の間食を減らす。 20:00にキッチンを閉めて、体を慣らし始めます。
- キッチンに用意しておく。 タンパク質と食物繊維の多い食事を、すぐ食べられる形にしておきます。
- おいしいコーヒーかお茶を買っておく。 朝の味方になります。
- スケジュールを決める。 最初の1週間は、16:8(12:00〜20:00の食事ウィンドウ)が定番です。最後の食事を終えた瞬間に断食タイマーを動かせば、頭の中で時間を計算せずに済みます。
16:8でも大きすぎると感じる場合は、断食への慣らし方の記事で、もっと穏やかな進め方を紹介しています。
1日目:目新しさのフェーズ
感じること: わくわくと空腹が混ざります。朝はふしぎな感じがして、いつも朝食をとる時刻のあたりでとくにそう感じます。お腹が鳴るかもしれません。ふだんより食べ物のことを考えます。時計を何度も見てしまうかもしれません。
体の中で起きていること: 体は、いつもの時刻に食べ物が来ると思っています。空腹のホルモンであるグレリンは体内時計に沿って動き、いつも食べている時刻に山をつくります(Frecka and Mattes, Physiology and Behavior, 2008)。このパターンをまだ変えていないので、グレリンの山は時刻どおりにやってきます。
やること: 朝いちばんに大きめのコップ1杯の水を飲んでください。そのあとにブラックコーヒーかお茶を。忙しくしていましょう。空腹は山を越えれば20〜30分で過ぎていきます。食事ウィンドウが開いたら、ごちそうではなく、バランスのとれた食事をとってください。
多くの方の感想: 思っていたほどひどくなかった、と驚く方がほとんどです。身構えているときのほうが、実際より苦しいのがふつうです。
2日目:いちばんつらい日
感じること: 多くの方にとって、2日目は1日目よりつらくなります。目新しさは消えたのに、習慣はまだできていません。空腹は強く感じられ、とくに午前の半ばがきつくなります。軽い頭痛もよくあります。いらいらしたり、気が散ったりするかもしれません。
体の中で起きていること: グリコーゲンの出入りが以前とは変わってきています。体は蓄えた脂肪をより多く使い始めていますが、まだ上手ではありません。頭痛はほぼいつも、食べていないことではなく、水分と電解質が原因です。グリコーゲンが減るにつれて、そこに抱えられていた水分が出ていき(グリコーゲン1グラムにつき水3〜4グラム)、電解質も一緒に流れ出ます。
やること: 水を増やしてください。水にひとつまみの塩を足すか、電解質のサプリメントをとります。頭痛が強い場合は、断食でよくある副作用と対処法を読んでみてください。ここが山であることを思い出してください。ここから先は楽になります。
3日目:折り返し地点
感じること: 2日目に似ていますが、改善のきざしが少し見えます。朝の空腹は、切迫感が少し弱まっているかもしれません。断食に慣れた方が語る頭のはっきりした感覚を、初めて味わう瞬間があるかもしれません。午後の早い時間にエネルギーが落ちることもあります。
体の中で起きていること: 脂肪を燃やす酵素のはたらきが上がり始めています。インスリンが基準値のあたりにとどまる時間が長くなっています。腸も、そして体内時計に沿ったグレリンのリズムも、新しいパターンに合わせて調整されています。この適応は、食事スケジュールを変えると1〜3日でグレリンの分泌パターンが調整されることを示した研究に記録されています(Natalucci et al., American Journal of Physiology, 2005)。
やること: 2日目と同じです。水分をとってください。忙しくしていてください。ふらつく場合は電解質を足します。体は大切な適応作業をしています。食事ウィンドウの間に栄養の詰まった食事をとって、その作業を助けてください。
4日目:初めての気持ちのよい朝
感じること: 4日目の朝に目を覚まして、切迫した空腹がないことに気づく方が多くいます。朝食のことが頭を占めません。朝の感じが変わり、1〜3日目にはなかった軽さと集中があります。「澄んでいる」「冴えている」と表現する方もいます。
体の中で起きていること: 体が脂肪を燃やすことに慣れてきています。断食中に上がるノルアドレナリンが、覚醒と集中を高めます(Zauner et al., American Journal of Clinical Nutrition, 2000)。グレリンのパターンも、新しい食事の時刻に合わせて動き始めています。ジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちが断食の効果の中心だとした代謝のスイッチが、なめらかにはたらき始めます(Mattson et al., NEJM, 2019)。そのスイッチが自分の断食時間のどこに来るのかは、断食フェーズの一覧で確認できます。
やること: 味わってください。慣れたあとの断食がどう感じられるかの、始まりの部分です。食事は一定に、タンパク質を多めに保ってください。
5日目:リズムがつかめてくる
感じること: 生活のリズムが自然に感じられ始めます。朝の空腹はほとんど、あるいはまったくありません。断食している時間帯のほうが、はかどると気づくかもしれません。食事ウィンドウの中の食事は、時計に言われて食べるのではなく、本当に空腹で食べるので、満足感が増します。
体の中で起きていること: これだけ短い期間でも、インスリン感受性は測れるほど改善しています。Cell Metabolismの研究では、早い時間帯の時間制限食をわずか5日続けただけで、体重が減らなくてもインスリン感受性、β細胞の機能、血圧が改善したと報告されています(Sutton et al., 2018)。
やること: 自分の感じ方に注意を向けてください。うまくいっていることに気づいてください。食事は体を支えていますか。よく眠れていますか。振り返って微調整するのによい日です。
6〜7日目:これがふつうになる
感じること: 1週間の終わりには、断食を「楽です」「これが今の食べ方です」と言う方がほとんどです。朝の空腹はほぼなくなります。エネルギーは安定するか、以前より高くなります。夕方に断食へ入っていくのも自然に感じられます。服の着心地が少し変わったことに気づく方もいます。
体の中で起きていること: 体は最初の代謝の適応をおおむね終えています。断食している時間帯の脂肪の燃焼は大きく改善しています。血中のインスリンの平均は下がっています。グレリンも、新しい食事の時刻にかなり合わせ直されています。
やること: 静かに祝ってください。いちばん難しい部分は終わりました。2週目のこと、そして今のスケジュールを長く続けられるかどうかを考え始めるとよいでしょう。
1週目の体の変化
体重の減少
1週目には、体重計の数字が1〜3ポンド(約0.5〜1.4 kg)下がる方が多くいます。ここで大切なのは、その多くが脂肪ではなく水分だと理解しておくことです。断食している時間帯にグリコーゲンが減ると、そこに結びついていた水分が出ていきます。これは悪いことではなく、むくみや張りが減ります。ただし、脂肪が減るのとは別のことです。
本当の脂肪の減少は1週目から積み上がり始めますが、体重計に現れるのは2〜4週目あたりです。小さい数字に落ち込む必要はありませんし、大きい数字に期待をふくらませすぎる必要もありません。
消化の変化
1週目の終わりには、消化がよくなったと感じる方が多くいます。食べる時間帯を短くすると、腸に長い休みができ、お腹の張り、ガス、胸やけが減ることがあります。Nutrientsの2020年のパイロット研究では、時間制限食によって参加者の消化器症状が2週間以内に改善したと報告されています。
睡眠
最初の2〜3日は、体が慣れるまで睡眠の質が乱れることがありますが、たいていは5〜7日目までに改善します。寝る2〜3時間前に食事を終えている場合はとくにそうです。断食は、いくつかの研究でメラトニンの分泌の増加と結びつけられています。
体重計が動かない、あるいは増えたとき
5日目や6日目に「断食 痩せない」と検索することは、断食を始めた方がいちばんよくすることのひとつです。何も間違っていません。1週目は準備の期間で、その間の体重計は、見るべきでないものを測っています。
最初の7日間を支配しているのは3つのはたらきで、そのどれも脂肪の減少ではありません。
グリコーゲンと、そこにくっついている水分。 肝臓と筋肉はおよそ300〜500グラムのグリコーゲンを抱えていて、その1グラムごとに3〜4グラムの水がついています。断食を延ばすと、その蓄えが空になり、水分も一緒に出ていきます。序盤に体重が落ちるのはこのためで、同じ理由で週の半ばに戻ることもあります。ある晩に炭水化物の多い夕食をとれば、グリコーゲンとその水分が一晩で戻ってきます。何も間違ったことはしていません。
インスリンの調整。 食べ続けていると、インスリンは脂肪の燃焼を抑える高さに保たれます。断食ウィンドウを一定にすると、インスリンは下がり、細胞は脂肪を燃やすための装置をつくり始めます。この工事に、1週目のほとんどが使われます。まだ全力では使えていない段階です。
ホルモンのゆらぎ。 コルチゾールは、新しい食事のパターンに対して少し上がることが多く、水分を抱えます。グレリンもまだ古いスケジュールで動いています。この2つが合わさると、実際に始まっているわずかな脂肪の減少が隠れてしまいます。
水分だけでも、1週間のうちに体重は数ポンド(約1〜2 kg)どちらにも振れます。1週目は、体重計ではなく次のもので判断してください。
- 朝の空腹。 6日目は2日目より楽ですか。それこそが、本当に求めていた適応です。
- 断食中のエネルギーと頭のもや。 5〜7日目の様子を見てください。
- 睡眠。 とくに夜遅くの食事をやめた場合。
- ウエストのサイズ。 毎週同じ時刻に測ります。体重計より先に動きます。
正直な時間の見取り図はこうです。1週目は適応の期間で、体重計は読めません。2〜3週目に最初の本当の脂肪の減少が始まりますが、日々の変動に隠れる程度の速さです。4〜8週目になると、続いているカロリー赤字が着実な減少として現れてきます。何かを結論づけるのは、まる6週間たってからにしてください。その間はウィンドウを一定に保ってください。時刻がばらばらだと、適応の期間が延びるだけです。
ひとつだけ注意があります。体重計が動かないことに加えて、極端な疲れ、はっきりした消化の不調、3日目を過ぎても続くめまい、生活に支障が出るほどの気分の波がある場合は、ふつうの姿ではありません。多くは電解質で解決するので、まずそれを試す価値があります。5日目までに落ち着かない場合は、押し切らずに医師に相談してください。
1週間を通した空腹とのつきあい方
いちばんの難所は空腹で、その仕組みを知っておくと助けになります。グレリンは、ずっと続く感覚ではなく、波として動きます。いつも食べている時刻に上がり、20〜30分ほど山をつくり、そのあとは食べても食べなくても引いていきます。
つまり、こういうことです。空腹の波をやり過ごせれば、それは過ぎ去ります。グレリンのパターンが整う最初の3日を過ぎると、これは劇的に楽になります。
うまくいく方法を挙げます。
- 水: 空腹はのどの渇きが姿を変えたものであることが、しばしばあります
- コーヒーやお茶: カフェインはその場の食欲を抑えます
- 体を動かす: 散歩や軽い作業は、空腹から気をそらします
- 待つ: 20分のタイマーをかけて、空腹が過ぎるかどうか見てみます
詳しくは、断食中の空腹への対処の記事にまとめています。
1週目に避けたい失敗
1週目を早々に終わらせるものが4つあり、そのどれも空腹ではありません。
12時間で断食を切り上げてしまう。「12時間だって断食のうちだから」。 12時間目や13時間目の空腹は本物で、切迫しています。しかしそれこそが、覚え直させようとしている波です。グレリンに新しいスケジュールを教えるのは、時刻を一定にすることです。毎日手前でやめてしまえば、適応の期間は数日ではなく数週間に延びます。いまの自分に16時間が本当に無理なら、14時間を目標にして守ってください。16時間を狙って毎日ちがう時刻に着地するより、そのほうが確実です。
ウィンドウの中でほとんど食べない。 1週目を飢餓の訓練のように扱い、16時間断食したあとにサラダだけ、という方がいます。これは、慣れないスケジュールの上に大きなカロリー赤字を積み上げることになり、そのあとに来る疲れと頭痛は断食のせいにされます。ふつうの食事をとってください。仕事はウィンドウがしてくれます。そこまで手伝う必要はありません。
同じ週にきついトレーニングを始める。 ほどよい運動なら問題なく、助けになることも多くあります。ただ、断食を始めるのと同じ月曜日に新しい高強度のプログラムを始めると、2つの適応が同時に走り、どちらのせいで具合が悪いのか分からなくなります。まずは断食を落ち着かせてください。
7日目ですべてを判断する。 1週目の終わりの体重計の1ポンド(約0.5 kg)は、8週目について何も語りません。1週目は準備です。多くの方が「はっきり変わった」と語るのはたいてい2週目で、朝の空腹が急に減り、断食している時間帯が気にならなくなり、水分の裏で最初の脂肪の減少が見え始めます。
気をつけるべきとき
1週目のふつうの症状には、軽い空腹、軽い頭痛、少しのいらだち、一時的な疲れ、ふだんより寒く感じること、そしてどちらにも動く体重計があります。どれも収まっていきます。
一方で、注意が必要な症状もあります。
- 続くめまい、または失神
- 動悸
- 水分をとっても治らない、強く続く頭痛
- 極端な気分の変化や不安
- 何晩も続けて眠れないこと
これらが出た場合は、断食ウィンドウを短くするか、中止して医療専門職に相談してください。断食は健康をよくするためのもので、損なうためのものではありません。
Fastedにできること
記録がいちばん効くのは最初の1週間です。Fastedは、いまそれぞれの断食のどこにいるのかをそのまま表示し、目に見えないはずのはたらきを見える形にします。空腹が来たとき、食後のフェーズから脂肪燃焼の領域へとタイマーが進んでいくのを眺めることは、意識を向ける具体的な何かになります。連続記録は初日から積み上がり始め、小さくても意味のある勢いになって、つらい序盤を運んでくれます。体重記録はFasted Proの機能です。序盤の変化を追いたい場合はそこで記録できます。週の終わりに振り返れば、7回の断食が並んでいるのが見えます。
よくある質問
断食の最初の1週間で具合が悪くなるのはふつうですか
軽い不調はふつうです。強い症状はふつうではありません。多くの方は1〜3日目に、我慢できる程度の空腹、ときどきの頭痛、少しのいらだちを感じます。症状が強い場合や、4〜5日目までによくならない場合は、食事ウィンドウを広げるか、医師に相談してください。
最初の1週間でどのくらい体重が減りますか
1〜3ポンド(約0.5〜1.4 kg)が目安で、その多くはグリコーゲンが減ったことによる水分です。もっと減る方も、もっと少ない方もいます。この段階では数字は重要ではありません。測れるほどの脂肪の減少は、2〜3週目以降に出てきます。体重計がまったく動かない場合も、上に述べた理由で、ふつうの1週目です。
断食の最初の1週間で体重が増えることはありますか
あります。とくに最初の数日はそうです。コルチゾールは新しい食事のパターンに反応して少し上がり、水分を抱えます。また、抜いた朝食の分を埋めようとして夕食の炭水化物をふだんより多くとれば、グリコーゲンとその水分が一晩で戻ってきます。どちらも脂肪ではなく、パターンが定着するにつれて落ち着きます。
断食の効果はいつから本当に出始めますか
代謝の変化は1週目から始まっています。体重計に出ないだけです。測れる脂肪の減少はたいてい3〜4週目に現れ、体重計より先にウエストのサイズがそれをとらえることが多くあります。結論を出すのは、6週間続けてからにしてください。適応の全体と、本当の減少の始まりまでが、ちょうどその中に入ります。
最初の1週間で食べるものも変えるべきですか
変えるのは一度にひとつにしてください。1週目は断食ウィンドウそのものを定着させ、食べるものはふだんのままにします。スケジュールが習慣になってから、たいてい2〜3週目に、ウィンドウの中身に取りかかります。全部を一度に変えると、どの変化が何をもたらしたのか分からなくなります。
うっかり断食を破ってしまったらどうすればよいですか
何もしなくてかまいません。翌日、いつものウィンドウに戻ってください。1回断食を破ったくらいで、数日かけて積み上げた適応が消えることはありません。それを失敗として扱うことこそが、1回のつまずきを1か月の放棄に変えてしまいます。
最初の1週間に運動してもよいですか
軽いものからほどよいものまでの運動は問題なく、適応を助けることもあります。体が慣れていく最初の3〜4日は、強いトレーニングは避けてください。ウォーキング、ヨガ、軽いサイクリングがよい選択です。
最初の数日、16時間に届かない場合はどうすればよいですか
まったく問題ありません。14時間、あるいは12時間の断食でも効果はありますし、体が慣れ始めるのを助けます。最初の1〜2週間かけて少しずつ延ばしてください。完璧よりも前進です。
空腹は完全になくなりますか
完全になくなることはありませんが、大きく変わります。1〜2週間たつと、朝の空腹はほとんど、あるいはまったくないと感じる方がほとんどです。空腹が現れたときも、最初の数日のような切迫して気を散らす感覚ではなく、穏やかで、すぐ過ぎていくものになります。